2006-01-01から1年間の記事一覧

拓海広志「信天翁ノート(2)」

これは僕が学生のとき(今から20年ほど前)に書いた未完の連作エッセイに、その後ジャカルタ在住中に少し加筆したものです。当時とは連作の順序を変えて紹介させていただこうと思います。内容的にはかなり未熟なものですが、もしよろしければお付き合いく…

拓海広志「信天翁ノート(1)」

これは僕が学生のとき(今から20年ほど前)に書いた未完の連作エッセイに、その後ジャカルタ在住中に少し加筆したものです。当時とは連作の順序を変えて紹介させていただこうと思います。内容的にはかなり未熟なものですが、もしよろしければお付き合いく…

拓海広志「信天翁のように・・・」

これは僕が学生時代に書いた「信天翁ノート」の前書きとするために、今から約12年前、僕がジャカルタに住んでいた頃に書いた文章です。 * * * * * * * 大航海時代の西洋の帆船乗り達は、信天翁(アホウドリ)を海で死んだ水夫の生まれ変わりだとす…

拓海広志「珍味をめぐる旅(2)」

先日掲載した「珍味をめぐる旅」というエッセイに対し、随分多くの方から様々なコメントをいただきました。ありがとうございます。今回はそれらを少し紹介させていただこうと思います(注:この記事は7年前のものです)。 * * * * * * * まずは明石…

拓海広志「珍味をめぐる旅(1)」

今から7年ほど前のことになるが、当時シンガポールに住んでいた僕が客人と夕食を共にしたときの話である。訪ねた海鮮料理屋でメニューを眺めていたら、「ウミウシの卵のスープ」というものが載っていたので(何故か日本語で書かれていた)、試みにそれを注…

拓海広志「ハキリアリの文化」

何年か前のことですが、僕はパナマの林でハキリアリの群れが木の葉を運んでいる光景に出くわしたことがあります。ハキリアリというのは、ひたすら植物の葉を切り取っては巣に運び込むことで知られる変わったアリなのですが、彼らがそんなことをするのは巣の…

共同討議「アジア太平洋の海と島(7)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

共同討議「アジア太平洋の海と島(6)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

共同討議「アジア太平洋の海と島(5)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

共同討議「アジア太平洋の海と島(4)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

共同討議「アジア太平洋の海と島(3)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

共同討議「アジア太平洋の海と島(2)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

共同討議「アジア太平洋の海と島(1)」

1999年の5月に新西宮ヨットハーバーで、『アジア太平洋の海と島』と題するシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。今回は、その中で行われたパネル・ディスカッション(パネラー:森拓也、長嶋俊介、大森洋子、川口祐二さん。司…

拓海広志「そのままの自分と向き合うこと : 上川あやさん」

3年前に上川あやさんが東京都世田谷区の区議会議員として政治活動を開始した際に、僕は当時自分が発信していたメールマガジンで彼女のことを紹介させていただきました。僕が彼女と初めて出会ったのは、6年程前にTNJ(トランスネット・ジャパン:TSとTGを支え…

拓海広志「越境する問題」

数年前に友人の菅井禎亮さん(NHKディレクター)が性同一性障害に関するテレビ番組を作ったので拝見したのだが、この問題を扱った番組としては相当良質なものに仕上がっていたように思う。 菅井さんがそれを制作するにあたって何を見つめていたのかはわから…

拓海広志「『環境戦略のすすめ』を読む」

環境問題は今日様々な場面で取り上げられますが、それを論ずる人の立場や考え方も多種多様で、正に百家争鳴状態だといえます。 人が環境を論ずるときに拠り所となる環境思想は古代から存在しました。しかし、「自然を克服すること」を是とする西欧的な近代思…

拓海広志「『星の航海師』を読む」

来年はハワイのカヌー「ホクレア」が日本にやって来ます。そこで今回は10年ほど前に書いた文章を再掲させていただきます。 * * * * * 星川淳さんの新著『星の航海師』が出版されました。映画『ガイア3』によって日本でも有名になったナイノア・トン…

拓海広志「『パイレーツ・オブ・カリビアン』を観る」

今夏は『パイレーツ・オブ・カリビアン』の第2作「デッドマンズ・チェスト」がロードショーとなりましたが、僕としては第1作の「呪われた海賊たち」の方が作品としてまとまっていて面白いと感じました。このシリーズは第3作もあるそうなので、次に期待し…

拓海広志「『ナマコの眼』を読む : 鶴見良行さん」

鶴見良行さんと私の出会いは意外に遅く、良行さんが晩年になってからのことなのだが、私は良行さんの著作については学生時代から多数愛読していた(鶴見良行さんは私のような若輩者からもファーストネームで呼ばれることを好む気さくな方だったので、ここで…

拓海広志『便秘の歌』♪

これは便秘薬のCMソングとして製薬会社に売り込もうと思い、作った曲です。残念ながら応募には至りませんでしたが、なかなかノリの良い曲です。 【便秘の歌】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) 辛い 辛い 便秘は辛い 便秘を治すには 毎日のバランスの取れた…

拓海広志『Kobe - My Home Town』♪

中学時代に始まった僕の放浪癖は高校、大学と進むにつれてエスカレートしていったのですが、旅とは自己のありふれた日常から抜け出して、他者のありふれた日常を垣間見ることであり、そこから翻って自己の日常の奥底を透視することであると、僕は当時から思…

拓海広志『バナナのとれる国のはなし』♪

これは幼い頃から僕が抱いていた南国への思いをそのまま綴ったものです。南国とは南米であったり、オセアニアの島々であったりするのですが、僕はそうした楽園的な南国幻想が無知とエゴに基づくものであることにその頃から気付いていたと思います。それでも…

拓海広志『どん底娘』♪

ちょっとロック調に歌ってみました。潔く生きようとして偽悪的にふるまってしまう、そんな女性をイメージした曲です。気分はキャロルを解散してソロになった頃の永ちゃんこと、矢沢永吉さんです(笑)。 【どん底娘】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) 夢の中…

拓海広志『Telephone Love』♪

僕らが学生時代に作っていた野外活動のクラブには電話の連絡網があったのですが、それを通じていつの間にか交際を始めたカップルがありました。これは彼らのために作ったものなのですが、とても可愛らしいメロディになっています(笑)。 【Telephone Love】…

拓海広志『別府・湯の街旅情』♪

これは別府を旅したときに作った曲で、演歌調の仕上がりになっています。僕は昔から別府には縁があって、何度か足を運んでいるのですが、開放的な気風の良い街ですね。 【別府・湯の街旅情】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) あー、ここは豊後大分 別府の湯…

拓海広志『長崎の女』♪

これは長崎を旅した時に作った曲ですが、ややクールファイブ調を意識しています(笑)。長崎は毎年訪ねる、僕の大好きな町です。 【長崎の女】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) あなたと出逢ったこの長崎へ 今度は独りでやって来た おくんち後の静けさに あ…

拓海広志『松林』♪

かつて舞子の浜は見事な松林が続く風光明媚なところでした。子供の頃の僕らは放課後になるとよく浜へ行き、薄暗くなるまで遊んだものです。当時の国鉄舞子駅は木造からコンクリート製に変わったものの、松林の中にひっそり構えた小さな駅で、とても風情があ…

拓海広志「『行とは何か』を読む」

今から10年ほど前のことになりますが、ある修験者の方が熊野山中で60日間の断食行に挑み、満願成就の直前で死を迎えたという話を聞き、僕は強いショックを受けました。行者の難行苦行が人々を救うという考え方は、現代社会においては容認しにくいもので…

拓海広志「親父のダンディズム : 是川均之さん」

僕の故郷神戸の垂水に「ルパン3世」という名の小さな居酒屋がある。神戸には元外航客船のコックが開いたレストランが少なからずあるのだが、この店の店主・是川均之さんも若い頃に一汽(第一中央汽船)の貨物船のコックとして世界を巡ってきた海の男だ。ちな…

拓海広志「ザ・外資」

高杉良さんの『小説ザ・外資』はかつてハゲタカ、ハイエナなどと呼ばれた一部の米系ファンドが日本の証券市場を牛耳ろうとする様を描いた作品です。様々な人々の努力によって成り立つ健全な企業群が、こうした一部のファンドによって単なるマネーゲームの対…