2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

拓海広志「『行とは何か』を読む」

今から10年ほど前のことになりますが、ある修験者の方が熊野山中で60日間の断食行に挑み、満願成就の直前で死を迎えたという話を聞き、僕は強いショックを受けました。行者の難行苦行が人々を救うという考え方は、現代社会においては容認しにくいもので…

拓海広志「親父のダンディズム : 是川均之さん」

僕の故郷神戸の垂水に「ルパン3世」という名の小さな居酒屋がある。神戸には元外航客船のコックが開いたレストランが少なからずあるのだが、この店の店主・是川均之さんも若い頃に一汽(第一中央汽船)の貨物船のコックとして世界を巡ってきた海の男だ。ちな…

拓海広志「ザ・外資」

高杉良さんの『小説ザ・外資』はかつてハゲタカ、ハイエナなどと呼ばれた一部の米系ファンドが日本の証券市場を牛耳ろうとする様を描いた作品です。様々な人々の努力によって成り立つ健全な企業群が、こうした一部のファンドによって単なるマネーゲームの対…

拓海広志『ヒ・ロ・シ・マ』♪

これは広島周辺の島を旅しながら作った曲です。宇品から船に乗って瀬戸内の島々を巡るのは楽しいですね。 【ヒ・ロ・シ・マ】 (詞・曲/拓海広志)(1983年) 煤けた街を 抜けると 太陽が 迎えてくれる 宇品港から 船は走る、走る 海よ あなたを残して 旅立…

拓海広志「最後の1マイル」

国家が独占的に行う事業は、競合相手がいないためにサービス水準が低くなり、採算意識が低いために赤字体質となりやすいというのはよく指摘されることですが、これは社会主義や共産主義を掲げる国々においてだけではなく、資本主義国家においても既に幾つも…

拓海広志「舞子を想う」

故郷の海の話をするのはいつもほろ苦い気分がするものだ。それはそこにはあまりにもたくさんの思い出と、過剰なほどの思い入れが入り混じっているからである。 僕が生まれ育った舞子の町は、明石海峡を望む丘の上に位置しており、子供の頃の僕たちの遊び場と…

拓海広志「ボラ話」

これは3年前の海の日の話です。その日、僕は新西宮ヨットハーバーからモーターボートに乗り、明石海峡までのショートクルーズを楽しんでいました。 海峡の潮溜まりではタチウオ狙いの釣り人たちが結構舟を出していて賑わっていたのですが、何と僕が操縦して…

拓海広志「パナマからの便り」 

今回は、以前僕が子供向けのメールマガジンを発行していたときに、旅先のパナマから発信したメールを転載させていただこうと思います。 * * * * * * * 皆さん、こんにちは。「さすらいのジャッキー」こと、拓海広志です。今僕がいるパナマは北米大陸…

拓海広志「何故かシンガポール(2)」

これは今から7〜8年ほど前、シンガポールに住んでいたときに書いた通信文ですが、少し紹介させていただきます。ちなみに僕はこれまでに神戸、シドニー、ジャカルタ、上海、シンガポールの五つの街で暮らしてきました。。。 * * * * * * * シンガポ…

拓海広志「何故かシンガポール(1)」

これは今から7〜8年ほど前、シンガポールに住んでいたときに書いた通信文ですが、少し紹介させていただきます。ちなみに僕はこれまでに神戸、シドニー、ジャカルタ、上海、シンガポールの五つの街で暮らしてきました。。。 * * * * * * * 急な話だ…

拓海広志「カタフリ夜話(4)」

海の仲間が狭い船内で酒でも飲みながら、四方山話ならぬ四方海話にふけることを、船乗り言葉では「カタフリ」といいます。今回は今から8年ほど前に海の仲間たちと作っていたMLで交わしたやり取りの中から、僕が書いた部分を幾つか抜粋して紹介させていた…

拓海広志「カタフリ夜話(3)」

海の仲間が狭い船内で酒でも飲みながら、四方山話ならぬ四方海話にふけることを、船乗り言葉では「カタフリ」といいます。今回は今から8年ほど前に海の仲間たちと作っていたMLで交わしたやり取りの中から、僕が書いた部分を幾つか抜粋して紹介させていた…

拓海広志「カタフリ夜話(2)」

海の仲間が狭い船内で酒でも飲みながら、四方山話ならぬ四方海話にふけることを、船乗り言葉では「カタフリ」といいます。今回は今から8年ほど前に海の仲間たちと作っていたMLで交わしたやり取りの中から、僕が書いた部分を幾つか抜粋して紹介させていた…

拓海広志「カタフリ夜話(1)」

海の仲間が狭い船内で酒でも飲みながら、四方山話ならぬ四方海話にふけることを、船乗り言葉では「カタフリ」といいます。今回は今から8年ほど前に海の仲間たちと作っていたMLで交わしたやり取りの中から、僕が書いた部分を幾つか抜粋して紹介させていた…

拓海広志『老人』♪

これは僕が高校生の頃に、日本各地を旅しながら出会った何人かの老人のイメージを重ね合わせて作った曲です。 【老人】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) 夏の日の夕暮れ 騒がしすぎる蝉の声に 包まれた城跡公園で 佇む老人よ 独り何想う 置き忘れた若き日の…

拓海広志「働くことの意味?」

【老人】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) 夏の日の夕暮れ 騒がしすぎる蝉の声に 包まれた城跡公園で 佇む老人よ 独り何想う 置き忘れた若き日の夢を探すことも 満ち足りぬ人生を悔やむことも とうにやめたはずなのに 窪んだ瞳に浮かぶは何ゆえの惑いか・・…

拓海広志「ふるきゃら応援団(2)」

先だっての「ふるきゃら応援団」に対して幾つかのご意見&ご感想をいただきましたが、今回はそれらのご意見・ご感想に対する僕からの回答を編集してお送りしようと思います(注:これらは今から10年ほど前になされたやりとりです)。 * * * * * * *…

拓海広志「ふるきゃら応援団(1)」

これは今から10年ほど前に書いた小文です。よかったらお読みください。 * * * * * * * 仕事を終えて家路につく頃、梅田駅界隈をうろうろしている浮浪者の数がこのところやけに増えていることに気づかされる。しかもその多くは年季の入ったベテラン…