海働

拓海広志「"キラキラの国"を想う」

この原稿は僕がインドネシアのジャカルタに住んでいた1996年に書いたものです。 * * * * * 僕はインドネシアのことを人に紹介する際にいつもそれを"キラキラの国"と呼んでいる。「キラキラ」とは「大体」「大まかに」といった意味を持つインドネシア語…

拓海広志「理学は、実業の諸問題を解決出来るか−再び」

昨年の3月13日に書いた「理学は、実業の諸問題を解決出来るか(2)」で紹介させていただいた、ESRIシンポジウム2010「サービス・イノベーションへの期待−理学は、実業の諸問題を解決出来るか−」の続編が開催されました。題して、ESRIシンポジウム2011「サー…

拓海広志「JICA&海上保安庁にて・・・」

JICA(独立行政法人国際協力機構)と海上保安庁の依頼を受け、幡ヶ谷にあるJICAの東京国際センターで終日講義を行ってきました。受講してくださったのは日本の海上保安庁で長期研修中のインドネシア、マレーシア、フィリピンの海上保安庁の中堅幹部の方々で…

拓海広志「理学は、実業の諸問題を解決出来るか(2)」

前回の「理学は、実業の諸問題を解決出来るか(1)」にて紹介させていただいた、ESRIシンポジウム2010「サービス・イノベーションへの期待−理学は、実業の諸問題を解決出来るか−」のパネル討議に参加してきました。 僕を含む4名のパネラーがビジネスの現場…

拓海広志「理学は、実業の諸問題を解決出来るか(1)」

今年の1月某日。御茶ノ水の貸し会議室で朝7時に始まった某研究会(非公開)において、僕は製造業のGlobal SCMとLogisticsにおける課題についてお話をさせていただきました。この研究会の座長は渋滞学の権威・西成活裕さんで、当日会議室に集まったのは数学や…

拓海広志「『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』で紹介した文献リスト」

拙著『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』は船と海運の入門書として書かれたものですが、それ故に本書を読了後さらに理解を深める上で有益と思われる文献や映画を本書中で多数紹介させていただいています。ここにその一部を挙げさせていただこうと思いま…

拓海広志「『ビジュアルでわかる船と海運のはなし(改訂増補版)』のご紹介」

昨年5月に拙著『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』(成山堂書店)を世に送り出してから約1年半が経過しました。この間にも海運・物流業界は激しく動いており、そうした変化の概要を記述するために3版目となる今版(11月8日発行)を改訂増補版とさせてい…

拓海広志「島のエコツーリズム」

シップ・アンド・オーシャン財団(海洋政策研究財団)のニューズレター第160号(2007年4月発行)に寄稿した小文をここに転載させていただこうと思います。 ★エコツーリズムとは何か? エコツーリズムは、観光資源を使い捨てにしがちだった従来型のマスツーリ…

拓海広志「島とエコツーリズム(2)」

2002年10月27日に沖縄県の伊平屋島で日本島嶼学会主催のシンポジウム「島とエコツーリズム」が開催されました。僕はそこにパネラーの一人として出席させていただいたのですが、それは僕自身にとってもエコツーリズムについて考える大変良い機会とな…

拓海広志「島とエコツーリズム(1)」

2002年10月27日に沖縄県の伊平屋島で日本島嶼学会主催のシンポジウム「島とエコツーリズム」が開催されました。僕はそこにパネラーの一人として出席させていただいたのですが、それは僕自身にとってもエコツーリズムについて考える大変良い機会とな…

拓海広志「域内流通の可能性(2)」

2000年12月に淡路島の由良で「域内流通の可能性」というテーマのシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。そこで僕がお話した内容をここに紹介させていただこうと思います。 * * * * * 先ほど生産の現場であったむらの産物…

拓海広志「域内流通の可能性(1)」

2000年12月に淡路島の由良で「域内流通の可能性」というテーマのシンポジウムが開催されました(主催:アルバトロス・クラブ)。そこで僕がお話した内容をここに紹介させていただこうと思います。 * * * * * 皆さん、こんにちは。今日は僕の話の…

拓海広志「ザ・外資」

高杉良さんの『小説ザ・外資』はかつてハゲタカ、ハイエナなどと呼ばれた一部の米系ファンドが日本の証券市場を牛耳ろうとする様を描いた作品です。様々な人々の努力によって成り立つ健全な企業群が、こうした一部のファンドによって単なるマネーゲームの対…

拓海広志「最後の1マイル」

国家が独占的に行う事業は、競合相手がいないためにサービス水準が低くなり、採算意識が低いために赤字体質となりやすいというのはよく指摘されることですが、これは社会主義や共産主義を掲げる国々においてだけではなく、資本主義国家においても既に幾つも…

拓海広志「働くことの意味?」

【老人】 (詞・曲/拓海広志)(1982年) 夏の日の夕暮れ 騒がしすぎる蝉の声に 包まれた城跡公園で 佇む老人よ 独り何想う 置き忘れた若き日の夢を探すことも 満ち足りぬ人生を悔やむことも とうにやめたはずなのに 窪んだ瞳に浮かぶは何ゆえの惑いか・・…

拓海広志「ふるきゃら応援団(2)」

先だっての「ふるきゃら応援団」に対して幾つかのご意見&ご感想をいただきましたが、今回はそれらのご意見・ご感想に対する僕からの回答を編集してお送りしようと思います(注:これらは今から10年ほど前になされたやりとりです)。 * * * * * * *…

拓海広志「ふるきゃら応援団(1)」

これは今から10年ほど前に書いた小文です。よかったらお読みください。 * * * * * * * 仕事を終えて家路につく頃、梅田駅界隈をうろうろしている浮浪者の数がこのところやけに増えていることに気づかされる。しかもその多くは年季の入ったベテラン…

拓海広志「海の物流とロジスティクス戦略」

シップ・アンド・オーシャン財団(海洋政策研究財団)のニューズレター第125号(2005年10月発行)に寄稿した小文をここに転載させていただこうと思います。対象読者が海事関係者でしたので、いきなり専門用語を使ったりして少しわかりにくいかも知れませんが…

拓海広志「海運への誘い」

ミクロネシア連邦にヤップという島があります。ヤップでははるか昔から男たちがカヌーに乗って南西に浮かぶパラオ諸島まで渡り、そこにある結晶石灰岩を円形に切り出して持ち帰るという航海をしていました。その石はヤップでは貨幣(石貨)として流通するの…