拓海広志『あなたと出会えて』

 先日、僕が仲間たちと三崎で共同運営しているシェアハウス「ホロネット三崎・あえり庵(Aérien)」のオープニングパーティーを催したのですが、偶然その日が「あえり庵」のメンバー・西澤良磨さんのバースデーだったので、奥さんの杏奈さんのご依頼で彼のために短いバースデーソングを作りました。この曲をやった後に定番の「Happy Birthday to You」に繋げる形です。


【あなたと出会えて】
(詞・曲/拓海広志)(2018年)


 あなたと出会えて ホントによかった
 過去のすべてに 感謝しよう
 あなたと出会えて ホントによかった
 未来のすべてに 夢を抱こう
 そして何より 今を大切に・・・


***「ホロネット三崎・あえり庵(Aérien)」の説明」より***


 ホロネットとは、私たちが各地に展開しようとしているシェアハウス・ネットワークのことです。私たちは、その名の通りホロニックなネットワーク作りを目指しています。ホロンはギリシア語のホロスに由来する語で、全体を構成する個でありながら、その個の中にも全体があり、自律的に活動しながら全体と調和し、全体をさらに発展させることができる個という概念です(拓海広志『新訂ビジュアルでわかる船と海運のはなし』参照)。


 三崎のシェアハウス「あえり庵」は、フランス語のAérien(アエリアン)に由来します。Aérienは空や空気を表す形容詞ですが、あえり庵という名は空を飛ぶ鳥のような自由さ、肩書や年齢などによる上下関係のない風通しの良さを表しています。ちなみにAérienは、音楽の世界では空気のように軽やかに演奏することを意味します。そしてワインの世界では、土感を楽しむテロワールとの対比において、空感を楽しむアエリアンという表現をします。


********************************


(無断での転載・引用はご遠慮ください)

拓海広志『魂の赴くままに』

 僕が仲間たちと共同運営しているヨット「Delphinus」のメンバー・福岡達也さんと梓さんの結婚を祝して作った曲です。5月27日の披露パーティーに向けて、同じく「Delphinus」メンバーの金子拓矢さんが5月25日に原詩を作り、5月26日の朝三崎に向かう京急電車の中で僕がそれをもとにして作詞、その後「Delphinus」で城ケ島沖をセーリングしながら浮かんできたメロディーを用いてウクレレで作曲したという、かなり慌ただしい創作経緯でした。


【魂の赴くままに】
(詞/拓海広志&金子拓矢・曲/拓海広志)(2018年)


 見上げていたよ 朝焼けの君を へこんだ僕には 眩しすぎて
 かすかに微笑み 君は飛び立つ 海風に舞って 僕を誘う
 今日は何処へ行こうか 明日は何を歌おうか
 過去の彼方の未来を見つめて 魂の赴くままに生きていこう


 星のささやき 波の歌声 月に曳かれて 潮も語るよ
 君を求めて 僕も飛び立つ 二枚の帆となり 風をつかもう
 今日は何処へ行こうか 明日は何を歌おうか
 二人の彼方の未来を見つめて 魂の赴くままに生きていこう


 今日は何処へ行こうか 明日は何を歌おうか
 宇宙の彼方の未来を見つめて 魂の赴くままに生きていこう


(無断での転載・引用はご遠慮ください)

拓海広志「重陽の海LIVE@TheGlee」

 今年の重陽節句(9月9日)に、ピアニストの高橋望さん、ギタリストの川上勇治さんと共に、東京神楽坂のアコスティックスホール「The Glee」にて「重陽の海LIVE@TheGlee(The Chrysanthemum Ocean Live @TheGlee)」なるタイトルのライブをやりました。The Gleeはとても気持ちの良い空間で、お越しくださったお客様も喜んでくださいました。また、高橋さん、川上さんと共にこのホールで演奏をさせていただきたいと思います。今回は大変ありがたいことに会場が満席となりましたが、我々の活動を支えてくださるお客様には感謝の気持ちで一杯です。ライブの模様を収録した映像がYouTubeで公開されていますので(MCの大半はカットしました)、よろしければご覧ください。


 ☆The Chrysanthemum Ocean Live @ The Glee


 今回のライブでは、僕が学生時代に書いたショートストーリー『イルカ☆My Love』の冒頭部をイルカ彩奈さんが朗読してくださいました。この物語を紹介させていただきます。


 『イルカ☆My Love』(作/拓海広志)
 『イルカ☆My Love』(詞・曲/拓海広志)


 ※参考 : The Hyper Bad BoysのHP







新訂 ビジュアルでわかる船と海運のはなし

新訂 ビジュアルでわかる船と海運のはなし

Another Paradise

Another Paradise

拓海広志「神戸大学『職業と学び―キャリアデザインを考える』」

 2009年度から2016年度にかけての8年間、僕は神戸大学キャリアセンターからの依頼を受けて、同大学全学部の希望者を対象に「職業と学び−キャリアデザインを考える」というテーマの授業を行ってきました。


 2009年度の授業は「モノを運ぶことは、心を運ぶこと−国際物流と貿易の仕事、そしてNPO活動を通して」というタイトルで、僕の海との付き合い方と旅の話、貿易・国際物流・ロジスティクス・SCMと仕事の話、国際・民際交流や環境活動支援などのNPO活動の話、僕がかつて「アルバトロスクラブ」というNPOにおいて実現した「ミクロネシアの伝統的帆走カヌーによるヤップ〜パラオ間の石貨交易航海再現プロジェクト」の話、異文化コミュニケーションとMulti Cultural Managementの話、神戸が持つコスモポリタンな文化土壌の話などをネタにしながら、学生たちと話し合いました。


 2010年度の授業は「越境するモノたち―物流におけるグローバル化」というタイトルで、モノの調達、製造、販売のグローバル化が加速する中で、そのサプライチェーン・マネジメントとロジスティクスの現場がどうなっているのかといったことや、ビジネスコミュニケーションのあり方について、学生たちと討議しました、。


 2011年度は「価値を生み出す仕事とは?」というタイトルの授業を行いました。まず、バリュー・チェーン、バリュー・プロポジション、またユーザー/カスタマーエクスペリエンスの考え方の基本を学生たちに説明した上で、仕事の連鎖の中でどうすれば顧客や仲間、社会への「価値」を生み出すことができるのか、また最高の価値である「信頼」をどのように築いていくのかについて、やはり学生たちとの対話形式で進めました。


 2012年度の授業は「真の人財とは何か?」というタイトルで行いました。僕は仕事における「人財」の定義を「仕事を通して顧客や仲間、社会に対して価値を提供し、それを通して自分の人生を価値あるものにできる人」だとしています。巷間ではよく「グローバル人材が必要な時代だ」といった話が出ますが、グローバルな人財(僕は人材という語は使いません)とは何なのかについて、学生の皆さんと一緒に考えてみました。


 2013年度は「グローカルな生き方と働き方」というタイトルにて、「グローバル」と「ローカル」という二項対立を超えた生き方、働き方について、幾つかの具体的な事例をあげて話してみました。これは、この年の11月に同志社大学で開催されたシンポジウム「『グローバル』の普遍性について」での私の講演とも通ずる内容でした。また、僕は2012年12月にも立教大学「グローカルな仕事と人生について考える」と題した終日ワークショップを行っているのですが、その内容とも通底しています。


 2014年度は「モノを介して人を繋ぐ仕事」というタイトルで、流通の仕事全般について話しました。流通とは生産と消費の間のギャップを埋める活動のことを言いますが、それは所有と情報のギャップを埋める商流と時間と空間のギャップを埋める物流に分解されます。ロジスティクスとは物流と在庫を最適化し、商流の効果を高めるためのマネジメントとオペレーションのことですが、そうした仕事についてもお話させていただきました。


 2015年度の授業は「ロジスティクスが生み出す価値について」で、ロジスティクス企業価値と顧客価値、また社会的価値を生み出していくメカニズムやその仕事のあり方について、具体的にお話しさせていただきました。


 2016年度は「サプライチェーンロジスティクスとシェアリングエコノミー」というタイトルの授業でしたが、これは僕が過去にAmerican Chamber of Commerce Japan (ACCJ) E-commerce and Logistics Forum 2013(東京)、The Air Cargo & Logistics Asia 2013 (ACLA 2013)(シンガポール)、Universal Postal Union (UPU) E-Commerce Forum 2014(ベルン)、Asian Logistics and Maritime Conference 2014 (ALMC2014)(香港)などで講演してきた内容がベースとなっています。また、これは今年の6月3日に孫子経営塾で行う講演「サプライチェーン・ロジスティクス―競争戦略と協創戦略」とも通底しています。


 そして2017年度。今年度は、2018年2月1日に神戸大学の教壇に立つ予定です。このところ、サプライチェーン・マネジメントやロジスティクスに関する話が続いているので、今年度は「グローカルな仕事と人生」というタイトルにてもう少し拡がりのある話をしたいと思っています。神戸大学の学生以外の方でも事前に同大学キャリアセンターに断っておけば授業を聴講していただけますので、もしご希望があれば僕宛てにご連絡ください。


 毎回、この授業に参加する学生たちは非常に熱心で、授業中もなかなか積極的に発言や質問をしてくれますが、授業後も個別に僕に質問をしてくる学生たちが多くて結構長くつかまってしまいます。さらにその後も質問のメールを送ってきてくれたり、もっと詳しい話を聞くためにわざわざ僕に会いに来る学生も何人かいたりして、僕は神戸大学の学生たちがとても好きになりました。また、授業後は現役学生とOBが混じり合っての懇親会を御影の居酒屋で開催するのですが、それもなかなか楽しいです。2018年2月1日の授業の聴講をされる方は、是非懇親会にもお越しください!


(無断での転載・引用はご遠慮ください)

拓海広志「『新訂ビジュアルでわかる船と海運のはなし』のご紹介」

 拙著『ビジュアルでわかる船と海運のはなし』の新訂版が、2017年3月18日に発行されることとなりました。出版元である成山堂書店のサイトを下記しますので、よろしければご覧ください。


※拓海広志『新訂ビジュアルでわかる船と海運のはなし』(成山堂書店)


☆☆☆☆☆彡


【著者メッセージ】
 海という大自然に挑戦してその力を利用しようとするしたたかな意志と、海の懐に抱かれてそれと調和しようとする謙虚さのバランス。それは時代と場所を超えて、海で生きる海人たちに共通するもののように思います。本書は商船と海運についての概説書ですが、船と海に関わってきた人々のありようや、人と海の関係性についても思いを巡らせていただけると幸いです。


☆☆☆☆☆彡


【新訂版発行にあたって】
 平成18年5月に本書を世に送り出してから10年半の歳月が過ぎました。その間に2度にわたって部分的な改訂を行いましたが、今回は従来よりも多くの箇所を改訂することにしました。この10年半の間に海運と物流、貿易SCM(Supply chain management:供給連鎖管理)とロジスティクスの世界は大きく変化していますので、それらを本書にも反映させています。
 ところで、昨今日本の大学や企業で「グローバル人材(人財)」育成の必要性がよく唱えられており、私もその要件について考えることがあります。グローバルな仕事を通して他者と社会に価値を提供するためには、多様な人と社会への対応能力、特に言語・宗教・文化的な差異をマネジメントする能力が必要で、ハイコンテクストなコミュニケーション文化に慣れ親しんできた日本人はそれを強く意識しておくべきだということがしばしば指摘されます。これはもっともなことでしょう。
 しかし、政治・経済の世界においてパクス・アメリカーナの延長だと揶揄されがちなアメリカンスタンダードのグローバリズムではなく、これからの人類が築いていく地球規模の生態系的な共同体としてグローバル社会を捉えるならば、単に文化相対主義的な観点に立って差異をマネジメントしていくだけでは不十分でしょう。さまざまな言語、宗教、文化の差異を超えた人類のコモンセンス(共通感覚)を認識することや、それを参照しながらグローバル社会の普遍的なプリンシプル(原理原則)を築いていくことが、これからの「グローバル人材(人財)」には求められるだろうと私は思います。
 私は、近代の航海術が登場する前の太平洋諸島民の伝統的な航海術、すなわち身体知を用いて星の動きや自然のメッセージを読み解くことで自分の位置と目指すべき方向を見出し、イメージの力をも用いて海を渡るという航海術に注目してきました。彼らの空間認知の知識と技術は砂漠や大草原を移動する遊牧民のそれとも通ずるものですが、これは人類のコモンセンスについて考える際のヒントともなります。また、世界のさまざまな海で生きる海人たちの多くは国や地域、人種や民族を越えた海人のプリンシプルとも言える海とのつきあい方を共有しており、私はそのことからも思索のヒントを得ています。
 海への愛、船への思い、そして海と関わる多くの人々との繋がりが私に本書を書かせたように、本書との出会いによって海と船、そして海運、物流、貿易、SCM とロジスティクスなどの仕事についての理解と愛情を深める方が一人でも増えることを願ってやみません。


☆☆☆☆☆彡


【はじめに】より
 太平洋に浮かぶ小さな島々からなる国・ミクロネシア連邦にヤップと呼ばれる島々があります。ヤップでは昔から男たちがシングル・アウトリガー・カヌーに乗って南西約500キロのところに浮かぶパラオ諸島まで渡り,そこにあるライムストーン(結晶石灰岩)を円形に切り出して持ち帰るという航海をしていました。持ち帰った石はヤップでは貨幣(石貨)として流通するのですが,石貨の価値は往復の航海の苦労や,その後のヤップでの使われ方など,島民の間で共有できる物語によって決まったといいます。
 この石貨を取りに行く航海は過去100年ほど行われていなかったのですが,私と数名の仲間がヤップの人たちと共に立ち上げたプロジェクトチームは,ヤップの森で切り倒した巨木を用い,昔ながらの方法によってカヌーを建造しました。そして,近代的な航海計器や海図のなかった時代の外洋航海術を今に伝えるヤップ離島サタワルの航海者マウ・ピアイルックを船長として招き,石貨を運ぶためにパラオとの間を往復する航海を再現したのです。このプロジェクトに参加したヤップの若者たちにとって,それは失われつつあった島のアイデンティティと石貨の物語,古来の航海術を再確認する機会になったことでしょう。
 それにしても,パラオ諸島では珍しくもない結晶石灰岩が,それを産しないヤップでは貴重な財産となることに,私は人類の交易の原点である「未知の世界への憧れ」と「モノを介しての異文化交流」を知る思いがしました。そして,石貨を運ぶことに伴う苦労の度合がその価値を決めるということに,私は古き良き時代の流通のあり方を偲びつつ,物語によって商品やサービスの付加 価値を高めるという現代のマーケティングとも通ずるものを感じていたのです。
 人類は太古より海を越えて移動し,そこで出会った異人たちとの間でさまざまな交易や交流を行ってきました。その際に船はヒトの移動やモノの運搬の道具としていつも大きな役割を果たしてきましたが,航空機が発達した現在もなお海を越えてモノを運ぶ主役は船です。しかし,現代の物流業では海上輸送と航空輸送,鉄道やトラック輸送などの適切な組み合わせによる複合一貫輸送は重要かつ日常的な仕事です。
 さまざまな輸送モードと貨物の保管,仕分けなどをうまく組み合わせることによって最適物流を組み立てることが現代の物流の仕事ですので,船と港のこと,海運のことを知らずに物流の仕事はできませんし,逆にそれだけを知っていても不十分です。今日のロジスティクス企業には輸配送と保管,荷役,包装,流通加工,情報管理といった古典的な物流の仕事だけではなく,金融や商流に関わるサービス,カスタマーサービスセンター業務,各種のテクニカルサービス,さらには荷主企業のサプライチェーン・ネットワーク及びそこでの物流と在庫を最適化し,商流の効果を高めるためのコンサルテーションやIT機能の提供といった(注2),さまざまな仕事が求められています。
 しかし,こうしたことの基本にはやはり海運があります。海運の歴史は古く,それを学ぶことによって国際関係や貿易,物流,輸出入制度などの基本を知ることができるでしょう。海と国境を越えてモノを運ぶという仕事は,自然条件による制約と輸送・荷役設備や技術上の制約,また各国・地域の法律や諸制度による制約などに縛られながらも,安全かつ確実に,最適の方法と速度で輸送を行い,その上でいかに収益を上げるかというのが基本的な課題であり,そうしたことと昔から向き合ってきたのが海運業なのです。
 また,海運を知るためには商船の構造や航海についての基礎知識も持っておく必要があります。私の恩師である科学思想史研究者の坂本賢三(故人)は「航海術は比較的早くから測定機器を使用し自己の技法を対象化し意識化してきた技術であり,かつ各時代においてその時代の最先端の知識と技術を統合してきた」と語りましたが(H.C.フライエスレーベン著『航海術の歴史』の訳者あとがき),海運を通してその時代の世界のあり方を,また航海術を通してその時代のテクノロジーをうかがうことは可能だと思います。そういう視点から航海について考えると,船や海運に関わる人以外にとっても興味が湧いてくることでしょう。
 少し前置きが長くなりましたが,本書は海運,物流,貿易,SCM(Supply chain management:供給連鎖管理)とロジスティクスなどの仕事に関心を持っている人,これからそういう仕事に携わろうとしている人,あるいはマリンレジャーとしてヨットやモーターボート,カヤックなどでの航海を楽しむ人たちに,商船と海運の概要について一通り知っていただくことを目的としています。ですから,それらについて深く知りたい人にとっては不十分なものになるだろうと思います。そこで,本書よりも詳しく書かれた文献を幾つか本文中や脚注にて紹介させていただきましたので,各項目についてもっと詳細に知りたい方はそれらの本を読んでみてください。
 私は子どもの頃から海と船が大好きだったのですが,学生時代に航海学を学んで以来,人と海の多様な関係性について探究すると共に,世界の様々な国と地域においてSCM とロジスティクス,貿易,EC(e-Commerce)などの仕事にも携わってきました。そして,冒頭でご紹介したヤップ島の石貨と同じように,現代においてもモノを運ぶということは心を運び,人と人を結び付ける仕事だと信じています。本書を通じて船や海運と関わってきた先人の営為を少しでもお伝えすることができ,また読者の皆さんがモノを運ぶ仕事に対して関心を示してくださるようになれば幸いです。


☆☆☆☆☆彡


【目次】
第1部 船と航海の歴史を知ろう
 1 船と航海の歴史

第2部 船について知ろう
 2 船の種類
 3 船のサイズとスピード
 4 船の構造と性能
 5 船の機関と設備

第3部 航海について知ろう
 6 船の仕事と航海当直
 7 航海計器
 8 航路標識と水路図誌
 9 航海のルールと信号
 10 船の位置の求め方
 11 操船術
 12 海難とその対処
 13 気象と海象

第4部 港について知ろう
 14 港の歴史と現状
 15 港の種類と港則法
 16 港の仕事

第5部 海運と物流について知ろう
 17 貿易と海運の基礎知識
 18 外航海運の歴史と現状
 19 内航海運とモーダルシフト
 20 SCM とロジスティクス


(無断での転載・引用はご遠慮ください)


[rakuten:book:18413735:detail]

拓海広志『Sailing Journey』

 2015年の新曲です。僕が仲間たちと共同運営しているヨット「Delphinus」に捧げようと思います。


【Sailing Journey】
(詞・曲/拓海広志)(2015年)


 幼い日の夏の夢を追い求めてここまで来たよ
 通り過ぎた海の日々はいつも僕を支えてくれた
 果てしなく広がる海に帆を揚げて
 吹き抜ける風に我が身を委ねよう
 そこから始まる 新たな船路に向かって・・・


 幼い日の遠い海を胸に抱いて歩んで来たよ
 出会い別れた全てのものが僕の中に息づいてるさ
 限りなく広がる夜空目を凝らして
 昇り来る星のしるしを読み取ろう
 そこから始まる 新たな船路に向かって・・・


  ☆Hiroshi Takumi & Yuji Kawakami - One Coin Live 『Sailing Journey


 ★The Hyper Bad Boys


(無断での転載・引用はご遠慮ください)

拓海広志「続々々々々・神戸大学にて・・・」

 2009年度、2010年度、2011年度、2012年度、2013年度に続いて、2014年度もまた神戸大学キャリアセンターの依頼で、同大学全学部の希望者を対象に「職業と学び−キャリアデザインを考える」というテーマの授業を行いました。


 2009年度の授業は「モノを運ぶことは、心を運ぶこと−国際物流と貿易の仕事、そしてNPO活動を通して」というタイトルで、僕の海との付き合い方と旅の話、貿易・国際物流・ロジスティクス・SCMと仕事の話、国際・民際交流や環境活動支援などのNPO活動の話、僕がかつて「アルバトロスクラブ」というNPOにおいて実現した「ミクロネシアの伝統的帆走カヌーによるヤップ〜パラオ間の石貨交易航海再現プロジェクト」の話、異文化コミュニケーションとMulti Cultural Managementの話、神戸が持つコスモポリタンな文化土壌の話などをネタにしながら、学生たちと話し合いました。


 2010年度の授業は「越境するモノたち―物流におけるグローバル化」というタイトルで、モノの調達、製造、販売のグローバル化が加速する中で、そのSCMとロジスティクスの現場がどうなっているのかといったことや、ビジネスコミュニケーションのあり方について、学生たちと討議しました、。


 2011年度は「価値を生み出す仕事とは?」というタイトルの授業を行いました。まず、バリュー・チェーン、バリュー・プロポジション、またカスタマーエクスペリエンスの考え方の基本を学生たちに説明した上で、仕事の連鎖の中でどうすれば顧客や仲間、社会への「価値」を生み出すことができるのか、また最高の価値である「信頼」をどのように築いていくのかについて、やはり学生たちとの対話形式で進めました。


 2012年度の授業は「真の人財とは何か?」というタイトルで行いました。僕は仕事における「人財」の定義を「仕事を通してお客様や仲間、社会に対して価値を提供し、それを通して自分の人生を価値あるものにできる人」だとしています。巷間ではよく「グローバル人材が必要な時代だ」といった話が出ますが、グローバルな人財(僕は人材という語は使いません)とは何なのかについて、学生の皆さんと一緒に考えてみました。


 2013年度は「グローカルな生き方と働き方」というタイトルにて、「グローバル」と「ローカル」という二項対立を超えた生き方、働き方について、幾つかの具体的な事例をあげて話してみました。これは、この年の11月に同志社大学で開催されたシンポジウム「『グローバル』の普遍性について」での私の講演とも通ずる内容でした。


 2014年度は「モノを介して人を繋ぐ仕事」というテーマで、物流、SCM、EC(e-Commerce)などについてお話しました。毎回、この授業に参加する学生たちは非常に熱心で、授業中もなかなか積極的に発言や質問をしてくれますが、授業後も個別に僕に質問をしてくる学生たちが多くて長時間つかまってしまいます。さらにその後も質問のメールを送ってきてくれたり、もっと詳しい話を聞くためにわざわざ僕に会いに来る学生もいたりして、僕は神戸大学の学生たちがとても好きになりました。今回受講してくれた学生諸君のレポートから幾つか抜粋し、紹介してみようと思います(複数の方のコメントを一つにまとめたものもあります)。


   *   *   *   *   *


※Aさん「拓海さんが教室内を歩き回りながら学生たちに様々な質問を投げかけていくという講義スタイルで新鮮だったし、自分自身の頭で考えねばならなかったので集中できました。また、もっと頭を柔らかくすることが大事だと感じました」


※Bさん「小売流通におけるe-Commerceのシェアが高まるにつれて宅配便サービスの利用度が高まっているが、スピード優先で荷物を届けても消費者は不在のことが多い。そうしたサプライチェインのムダ・ムラ・ムリが、社会全体の負荷になってきているという話を興味深くうかがいました」


※Cさん「今日のお話は根拠や理由が明確で、私が論理的に納得できる瞬間がとても多かったです。他方、拓海さんは教室内を歩きながら、一人一人の眼を見て話をされており、感情に訴えてくる分部も強かったので、とてもバランスが取れていたように思います」


※Dさん「拓海さんは海外の様々な国で生活や仕事をされてきたため、『相手の立場に立って物事を考え、その価値について考える』という言葉に重みがあり、留学生の私には特に共感できました」


※Eさん「私は個別指導の塾でアルバイトをしています。拓海さんの仰っていた『Mission、VisionValue、Strategy、Action Plan』を生徒と私が共有して、共に目標に向かっていかねばと思いました」


※Fさん「e-Commerceという非常に便利な世界の背後で、そのSCMを最適化し、効率的で効果的な物流を提供するために様々な人が働いていることを知り、視野が拡がりました」


※Gさん「目に見える問題に対応するだけではソリューションにはならない。その問題の背後にあるものをつかまないと、本当のニーズは見えてこないという話には、深く考えさせられました」


※Hさん「リーダーだけがVisionに向かって走って行っても、それをメンバーと共有できなければ組織は前に進まないことを学びました。また、私には将来経営者になったときに共有したい価値(Value)があったのですが、今日のお話を伺っていてそれはまだInside-Outの視点に立った独りよがりのものだと思いました」


※Iさん「物流というものを社会の底辺の仕事だと思っていましたが、それが実際はSCM最適化の鍵を握るもので、特にグローバル社会においてはその複雑性と重要性が増していることを理解しました」


※Jさん「とても論理的にお話をされる拓海さんなのに、『人がモノやサービスを買う際には論理よりも感情が勝る』と言うのを聞いて、人の心に働きかけることの重要性を思いました」


※Kさん「ビジネスマンのFoundationとは「Mind」「Knowledge」「Skill」だが、特に重要なのは「Mind」。また、Foundationがしっかりしていても、実際に「Action(Process)」を取らなければ「Performance」は上がらないと教わりました。自分は日頃から「Action」が中途半端なので、それをしっかりしたいと思いました」


(無断での転載・引用はご遠慮ください)


ビジュアルでわかる船と海運のはなし

ビジュアルでわかる船と海運のはなし

災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録

災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録

航空写真集 阪神・淡路大震災―激震直後5日間の記録 1995年1月17日~21日

航空写真集 阪神・淡路大震災―激震直後5日間の記録 1995年1月17日~21日

守れいのちを 完結編―阪神・淡路大震災10年報道

守れいのちを 完結編―阪神・淡路大震災10年報道

検証「大震災」 伝えなければならないこと

検証「大震災」 伝えなければならないこと