拓海広志「JICA&海上保安庁にて・・・」
JICA(独立行政法人国際協力機構)と海上保安庁の依頼を受け、幡ヶ谷にあるJICAの東京国際センターで終日講義を行ってきました。受講してくださったのは日本の海上保安庁で長期研修中のインドネシア、マレーシア、フィリピンの海上保安庁の中堅幹部の方々で、今回僕が行った3つの講義のテーマは「貿易と海運」、「LogisticsとSCM」、「海が繋ぐ人と文化」というものでした。
島嶼東南アジアと僕の縁は深く、特にインドネシア、マレーシア、フィリピンの3国は僕にとっては第2の故郷のようなところなので、受講生たちとの話はとても弾みました。英語にインドネシア語やマレー語、タガログ語も織り交ぜての講義と問答はなかなか愉しく、海にまつわる四方山話も散りばめている内に、あっという間に過ぎ去った6時間でした。
海上保安官と言っても、海上保安大学校&海上保安学校からの純粋培養型の日本とは少々事情が異なり、企業でのビジネス経験などを持つ人が転職してその職に就くケースも少なくないのがこれらの国の特徴です。インドネシアからの参加者の1人は、かつて僕がジャカルタで勤務していた商社の自動車部門で働いたこともあるとのことでしたから、世の中は実に狭いものです。
ちなみに、一連の研修の中には、尖閣諸島問題、南沙・西沙諸島問題、東シナ海でのガス田開発問題などによって、一般の人たちの関心も高まってきている海洋法・領海法についての講義もあり、それは海上保安官でその方面の専門家でもある、僕の弟が担当したと聞きました。弟とは少年時代に近所の海でよく一緒に遊んだものですが、彼も相変わらず海と関わって生きているようです。
インドネシア、マレーシア、フィリピンの海上保安官たちは1ヶ月にわたる東京での研修を終え、これから呉の海上保安大学校に移動して、そこでさらに様々な研修を受けるそうです。彼らの日本滞在が実り多いものとなり、それが今後のマラッカ海峡やスールー海での海賊対策などにおいて、日本とそれらの国々の連携強化につながることを願ってやみません。
(無断での転載・引用はご遠慮ください)
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